サッカー|プレスのかけ方とは?戦術の基本から応用とその仕組みの重要性を解説

soccer (107) サッカーの戦術

サッカーにおいて「プレス」は、試合の主導権を握るための重要な戦術のひとつです。現代サッカーでは守備の開始点がゴール前ではなく、相手陣地に移行しつつあり、さまざまなタイプのプレス戦術が存在しています。

本記事では、サッカーの「プレス」の基本概念や種類、効果的なかけ方、練習方法、さらには世界のチームが採用する具体的なプレス戦術まで、包括的に解説します。これからプレス戦術を学びたい方から、より深く理解したい指導者・選手まで、すべてのサッカーファンに役立つ内容となっています。

サッカーの「プレス」とは?基本概念と種類を徹底解説

現代サッカーにおいて、守備戦術として極めて重要な要素が「プレス」です。試合中に相手選手がボールを持った瞬間、個人あるいはチーム全体で圧力をかけてボール奪取を狙うこの戦術は、単なる「守備」の枠を超えて、試合の主導権を握るための重要な要素となっています。

プレスの基本概念は、ボール保持者に対して素早く距離を詰めて自由を奪うことで、パスやドリブルの選択肢を減らし、最終的にボールを奪うことを目的とします。しかし、プレスは単に「走って詰める」行為ではなく、ポジショニング、タイミング、味方との連動が不可欠です。

プレスにはいくつかの種類が存在し、それぞれに特性と意図が異なります。以下で代表的なプレスの種類について詳しく解説していきます。

ハイプレス・ミドルプレス・ロープレスの違い

チームがプレスをかける守備ブロックの高さによって、以下の3種類に大別されます:

  • ハイプレス:相手のゴール近くでプレスを仕掛け、攻撃的な守備を行う。
  • ミドルプレス:中盤のエリアで待ち構えるようにプレスを開始し、守備と攻撃のバランスをとる。
  • ロープレス:自陣深くで守備ブロックを築き、相手にある程度のビルドアップを許す代わりに堅実に守る。

これらは試合の流れや戦術意図、相手のスタイルに応じて柔軟に使い分けられます。

マンツーマンプレスとゾーンプレスの特徴

守備の際に誰をマークするかという観点から分類されるのが、マンツーマンゾーンによるプレスの違いです。

  • マンツーマンプレス:1対1のマークを基本とし、相手選手に密着してプレッシャーをかける。
  • ゾーンプレス:担当するエリアに入ってきた相手に対して守備を行う。複数人で囲む連携が可能。

特にゾーンプレスは現代サッカーにおいて主流の戦術であり、組織的で無駄のない守備が求められます。

ゲーゲンプレスとは何か?

近年よく聞かれるようになった用語に「ゲーゲンプレス(Gegenpressing)」があります。これは、ボールを失った直後に即座にプレッシャーをかけて即時奪回を狙う戦術です。

「失った瞬間が、最もボールを奪い返しやすい瞬間である」 ― ゲーゲンプレスの哲学

この戦術の魅力は、相手がカウンターを仕掛ける前にボールを取り戻せる点にあります。ドイツやプレミアリーグの一部クラブでは、特にこのスタイルが重視されています。

プレスの目的と試合展開への影響

プレスの根本的な目的は、守備を起点にゲームの流れを支配することにあります。

  • 相手にプレーさせないことで、主導権を握る
  • 高い位置でボールを奪えば、ゴールに近い場所で攻撃を始められる
  • 守備から攻撃への切り替えが早くなる

このように、プレスはただ守るだけでなく、攻撃の起点としての役割も持っています。

プレスとポゼッションのバランス関係

プレスはポゼッション(ボール保持)戦術とのバランスが重要です。極端なハイプレスをかけ続けると、選手の体力を消耗しやすく、逆にポゼッション志向を強めすぎると守備が後手に回りやすくなります。

多くの強豪チームは、プレスとポゼッションの最適なバランスを見極めながら戦術を組み立てています。

例えば、攻撃時はポゼッションを重視し、ボールを失った瞬間だけゲーゲンプレスを仕掛けてすぐに回収する、というようなハイブリッド型の戦術が主流となっています。

このように、サッカーのプレス戦術は守備戦術の一部でありながら、試合全体の流れに大きな影響を与える要素となっています。次のセクションでは、実際にどのようにプレスをかけるか、その具体的な方法と連動について詳しく見ていきます。

サッカーにおけるプレスのかけ方とチーム全体の連動の重要性

soccer (108)

サッカーにおいてプレスは個人の意識だけでは成立しません。効果的なプレスを成立させるためには、前線、中盤、そして守備陣までを含むチーム全体の連動が必須です。ここでは、プレスの具体的なかけ方と、それをチーム全体でどう連動させていくのかを、順を追って解説していきます。

最前線からのプレスの基本動作

まずは最前線のプレッシングについて解説します。FWが最初にプレスをかける際、その方法にはいくつかの基本があります。

  1. 相手CBやGKへの誘導プレス:プレッシャーをかけることで、意図した方向へパスを出させる
  2. パスコースの限定:体の向きと走り方で相手の選択肢を減らす
  3. 連動の合図:FWが動き出すことで、後方の選手に「プレスのタイミング」を知らせる

最前線の選手がボールホルダーだけでなく、次の受け手を意識してパスコースを切ることで、相手のビルドアップを困難にします。また、FWの動きがトリガーとなり、中盤・DFラインが連動して前進する構造をつくります。

中盤・DFラインとの連動の仕組み

プレスは単独で行っても効果は限定的です。最前線が相手CBにプレッシャーをかけても、中盤がラインを上げずに距離が空いてしまえば、パスを通されて簡単に突破されてしまいます。

そのために重要となるのが、以下の3ラインの連動です:

【図解:プレッシングラインの理想的な波状配置】
FWライン → 中盤ライン → DFライン
▶ 距離を一定に保ちつつ、ボールの移動に応じて波のように連動して押し上げる。

中盤の選手は、前線のプレスに応じて前へ出ていき、「セカンドボール回収」「インターセプト狙い」「パスカット」のいずれかを狙います。一方、DFラインも中盤の位置を見ながらラインを調整します。距離が離れすぎると裏を取られるリスクがありますが、前線との距離が適切であれば、プレスの効率は大幅に高まります。

具体的には、下記のようなフォーメーション連動が行われます:

  • 4-4-2:2トップが外へ追いやり、中盤4枚が中央を閉じる
  • 4-3-3:3トップでGK・CBにプレス、中盤3枚がその後ろをカバー
  • 3-4-2-1:中盤4枚を押し上げて、ハーフスペースを埋める連携型

プレスをかけるタイミングとトリガー

優れたチームほど、「なんとなく」でプレスを開始しません。むしろ、あらかじめ共有された「トリガー」に従ってプレスを開始します。

代表的なトリガーには以下のようなものがあります:

  • 横パスが出た瞬間:パススピードが落ち、選手の体が開いた隙にプレスを開始
  • 後ろ向きでボールを受けたとき:前を向けず、体勢が整っていない相手に圧力をかける
  • 特定の選手にボールが入ったとき:足元の技術に不安がある選手など、事前に狙いを定める

このように状況判断を数的有利に変えるポイントを見極めてプレスを開始することで、無駄な消耗を避けつつ効率的な守備が実現します。

また、プレスのトリガーは試合前に戦術的に共有されるだけでなく、ピッチ上の選手間で「目線」「声」「手の合図」などで細やかに調整されています。

例えば:

「CBが横にボールを出したらスタート」
「SBに出たら、SHが誘導、CFがカット」
「MFが構えていたら、CBと連携してスイッチを入れる」

このような形で、選手の「意思共有」が成されているチームほど、プレスの効率と効果は高まります。

最後に重要な点として、失敗時のリスク管理も含めたプレッシング設計が必要です。無謀に全体が前に出てしまえば、裏に広大なスペースが生まれ、カウンターの餌食となります。よって、「行く・行かない」の判断軸を明確化し、プレッシングブロックの形成を重視する守備設計が不可欠です。

以上のように、プレスは個人の意識だけで成立するものではなく、複数ラインの連動と戦術的トリガーの理解によって初めて有効に機能します。次のセクションでは、実戦でこのプレスをどう練習していくか、その方法に迫ります。

実戦で使えるプレスの練習方法とトレーニングメニュー

試合で効果的なプレスを発揮するには、日々のトレーニングが不可欠です。とくに個人技術とチーム全体の連動を同時に養う練習が求められます。このセクションでは、実戦に直結するプレスの練習メニューを紹介し、どのような点に注意すべきかを解説します。

まずは前提として大切な3つの観点を押さえておきましょう:

  • 練習目的:ポジショニング、連動、判断スピードの強化
  • 強度設定:試合を想定した強度でのトレーニング
  • 振り返り:ミスの理由を共有し、改善を図るフィードバック

小グループでのプレス練習ドリル

まずは3対3+フリーマンのような小グループによる練習ドリルが有効です。スペースを制限し、狭い局面での判断とプレスの仕方を身につけることが目的です。

  1. 設定:20m×15m程度のエリア、3vs3にフリーマン1人を加え、攻守の切り替えを素早く行う。
  2. 目的:プレス側はボール保持者に素早く寄せ、パスコースを消しながら数的優位で奪取。
  3. 強度:インターバル形式で繰り返し行うことで、フィジカルと集中力の強化も図る。

この練習は「止まらないプレス」を学ぶうえで重要で、守備側にとっては連携のタイミングを実戦形式で習得できるメニューです。

コーチ:「パスコースを読むだけでなく、パスが出る前から準備する意識を!」
選手:「奪いに行く意図と仲間との距離感を常に意識します!」

このような会話が日常的に交わされることで、戦術理解と実行力は着実に向上していきます。

トランジション練習におけるプレス導入法

トランジション(攻守の切り替え)に重点を置いた練習は、ゲーゲンプレスなど即時奪回を狙うスタイルに有効です。以下のステップで構成された練習がおすすめです。

  1. 練習内容:5対5のミニゲーム形式。ボールを失った瞬間から5秒間のプレッシングタイムを設ける。
  2. 目標:ボールを失ったら即時に3人以上がボールホルダーへ寄せ、攻撃を再開できる形を作る。
  3. 評価軸:プレスのスピード・角度・奪取後の判断(シュートかキープか)

このトレーニングでは、ボールを失った後の「第一歩の反応」がカギになります。また、後方の選手がラインを上げることを怠るとギャップが生まれ、逆に失点のリスクが高まります。

チーム全体で「奪った後に何をするか」までを共有した練習が理想です。切り替えの瞬間の対応力が、そのまま試合での結果に直結します。

チーム全体でのプレス連動練習法

実戦に最も近い形でプレス戦術を完成させるためには、11対11のフルコートで行う連動練習が必要です。この段階では戦術理解と集中力、そして役割分担が問われます。

  1. 準備:相手役チームはGK含めたビルドアップ形式を取らせ、DFラインから組み立てる。
  2. プレス側:トップが誘導する方向を明確にし、MFとDFが連動して前進守備を展開。
  3. スイッチタイミング:相手SBにボールが入った瞬間など、事前に決めたトリガーを元に全体が一斉にプレスへ。

この練習では、以下のようなチーム内の確認が必要となります:

  • 「誰がスタートの合図を出すのか」
  • 「前が行った時に中盤とDFはどこまで付いていくのか」
  • 「裏を取られたときの保険は誰が担うのか」

これらを理解していないと、局所的なプレスだけになり、簡単にかわされてしまいます。プレスは1人の意識ではなく、全体の同調とタイミングが肝要なのです。

コーチ:「前だけが頑張っても意味がない。後ろのDFラインが上がらなければプレスじゃない」
選手:「声かけとタイミングで、ライン全体が一つになるよう意識します!」

このように、選手たちの中に「チームで守る」という意識が芽生えることが、最終的にプレス成功の鍵を握ります。

実戦的なプレス練習は、技術・判断・走力・戦術理解と多面的な能力を必要とするため、計画的に練習構成を組むことが重要です。次のセクションでは、そんなプレス戦術が成功するチームの特徴や、失敗を招く要因について掘り下げていきます。

プレス戦術の成功と失敗を分けるポイントとは?

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どれだけ完成度の高いチームでも、プレス戦術が常に機能するとは限りません。なぜあるチームはうまくプレスをかけ続けられるのか、逆にどのようなミスがプレスの失敗につながるのか。

本セクションでは、その成功・失敗を分ける明確なポイントを整理し、実戦に活かすための視点を深掘りしていきます。

プレスがハマらないときのリスクと弱点

まず押さえておくべきは、プレスには常にリスクが伴うという事実です。どれほど前線が積極的に追い込んでも、後方との連動が乱れれば一気にピンチへと転じます。

以下に、よく見られるプレス失敗パターンをまとめました:

原因 起こりうるリスク
前線が先走ってプレスを仕掛ける 中盤・DFラインとの間にスペースが生まれ、縦パス1本で崩される
個人のプレスがタイミングを外す 簡単にいなされて、数的不利の状況が発生
カバー役が準備できていない 裏のスペースが空き、カウンターを食らう

特に横ズレや縦ズレが甘くなる瞬間に、巧みなポゼッション型チームはプレスを外しにかかってきます。

相手にこう思わせてはいけない:「プレスが来てるけど、間で受ければ簡単に外せるな」

これを防ぐには、「行くべき時」「行ってはいけない時」の見極めが不可欠です。無理なプレスはかえって自分たちを危険に晒します。

プレス回避されないための工夫

プレスを機能させ続けるには、相手に読まれない変化と、複数人による連携が鍵になります。以下のような工夫が有効です:

  • プレスの開始タイミングを変える:毎回同じタイミングでは読まれやすくなる。
  • ボール誘導型のプレスを使う:相手を罠に誘い込み、中央やSBへパスを出させて囲む。
  • 縦ズレと横ズレの調整:前線が外切りで追い、中盤が中央カバーを徹底する。

また、成功するプレスチームほど、「誰が最終的にボールを奪うか」を決めておく傾向があります。単に追い込むだけでなく、ボール回収者を明確にすることで守備→攻撃の切り替えがスムーズになります。

このような設計を持たないと、いざ奪っても選手がばらばらに動いているため、セカンドプレーが続かないという問題が起こります。

戦術的失敗の例:「ボールは奪えたが、前に出す選手もいなければパスコースもない」

これを防ぐためにも、奪取直後の形(2列目が前に飛び出す、サイドが開く、トップが裏抜けするなど)を練習で繰り返し準備しておくことが大切です。

選手間の距離感と予測力の重要性

最後に、プレス成功の最も本質的な要素といえるのが、選手同士の距離感予測力です。

プレスをかける際、以下のような理想的な距離設定が求められます:

  • 前線~中盤:10〜15m以内で連動できる間隔
  • 中盤~DFライン:8〜12mを維持し、カバーできる距離を保つ
  • 横幅:40〜45m以内に収め、ピッチの中央に密度を保つ

この「守備密度」が高まることで、プレスの効果が数倍にもなります。一方、距離が空きすぎると「一か八かの突撃」に終わり、チームとしての守備が破綻します。

また、選手が「どこにボールが出そうか」「味方がどの方向へ動こうとしているか」を予測できるかどうかも重要です。これは試合経験や戦術理解に裏打ちされる能力で、即席では身につきません。

このような「距離と予測」を体現するチームは、ボールを奪う前からパターンを想定し、“奪う場所”と“奪った後の展開”をセットで考える習慣が身についています。

一流チームの思考:「奪ったら、誰が受けて、どこに攻めるかはすでに頭の中にある」

つまり、プレス戦術を成功させるには、目の前のボールにだけ注目するのではなく、常に2手先・3手先を読みながら守備を組み立てる必要があるということです。

次のセクションでは、こうしたプレス戦術を実際に用いて成果を上げているクラブ・代表チームの実例をもとに、その特徴を紹介していきます。

世界のクラブや代表チームが用いるプレス戦術の事例紹介

これまでに解説したように、プレス戦術はサッカーの守備だけでなく、攻撃に転じる重要な起点でもあります。では、実際に世界のトップクラブや代表チームは、どのようにプレスを戦術として活用しているのでしょうか?

このセクションでは、リヴァプールマンチェスター・シティ、そして日本代表という3つのケースをもとに、それぞれのプレス戦術の特色を紐解いていきます。

リヴァプールのゲーゲンプレス戦術

リヴァプールFCは、ユルゲン・クロップ監督の下で、ゲーゲンプレス(即時奪回)を戦術の軸としています。このスタイルは、ボールを失った瞬間に一気に複数人が連動して奪い返すというものです。

クロップ監督の有名な言葉に、「最高のプレイメーカーはゲーゲンプレスだ」というものがあります。つまり、パスで崩す前に、守備でボールを奪い、相手の整っていない状態を突くのがもっとも効果的だという思想です。

リヴァプールの特徴は以下の通りです:

  • FWが斜めの角度で追い込み、ボールをサイドに誘導
  • SBが高い位置まで押し上げ、ボール奪取後に即クロス
  • MF(特にヘンダーソンやファビーニョ)がセカンドボールに詰め、敵に時間を与えない

この結果、リヴァプールはプレミアリーグでも有数の「高い位置でのボール奪取回数」を誇り、得点の多くがこのスタイルから生まれています。

マンチェスター・シティの位置的プレッシング

次に紹介するのは、マンチェスター・シティが用いる「ポジショナル・プレッシング」です。ジョゼップ・グアルディオラ監督は、相手にプレスをかける際に「位置」と「距離」の概念を極めて重視します。

シティのプレスは、ただ突進するのではなく、相手がボールを持つと予想されるゾーンを先回りして封じるようなイメージです。数的優位や角度を意識した“理論的なプレス”と言えるでしょう。

要素 特徴
ゾーン制圧 ピッチを5レーンに分け、相手の選択肢を限定
数的優位 1人のボール保持者に対し、常に2人以上で対応
逆サイドの閉鎖 相手が展開できないよう、素早く反対側のスペースを消す

このように、シティのプレッシングは位置情報とインテリジェンスの塊です。特にMF陣(ロドリ、デ・ブライネなど)が中央を締めることで、ボールが自然と外へ流れ、そこを奪取のチャンスとする設計がなされています。

プレッシングの強度だけでなく、精密な位置取りと約束事の共有が機能している点が、リヴァプールとの対比として際立ちます。

日本代表のプレスの戦術的進化

近年、日本代表もプレス戦術において明らかな進化を遂げています。特に2022年カタールW杯におけるドイツ戦、スペイン戦での戦い方は象徴的でした。

森保一監督のもと、守備ブロックをコンパクトに保ちながら、狙いを持ってプレスをかけるスタイルが確立されました。特に試合中のシステム変更によって、プレスのかけ方が柔軟になっている点が特徴です。

日本代表の進化点を挙げると:

  • 4-2-3-1から5-4-1へのシフトによって、中央を固めて外へ誘導
  • 久保建英、伊東純也などのSHが内側に絞り、パスコースを限定
  • 後半からの前線プレス強化によって試合の流れを変える「プランB」

特に興味深いのは、日本が「守るためにプレスする」だけでなく「攻めるために守る」というヨーロッパ型の戦術観を取り入れつつあることです。

また、育成年代でもプレス戦術が導入されはじめており、将来的にはさらに高度なプレスを日本代表が展開する可能性があります。

このように、各チームのプレスには明確な思想と実行戦術があり、その違いこそが戦術の奥深さを表しています。以下に3チームのプレス比較を簡潔にまとめます。

チーム プレスのタイプ 特徴
リヴァプール ゲーゲンプレス 即時奪回、前線からの一斉圧力
マンチェスター・シティ 位置的プレッシング ゾーン制圧と数的優位を重視
日本代表 ハイブリッド型 状況に応じてブロック形成と前線プレスを使い分け

このような実例を知ることで、自チームのプレス設計や個人戦術理解に活かすことができるでしょう。今後も世界中のチームがどのようにプレスを進化させていくか、注目していく価値があります。

まとめ

サッカーの「プレス」は、相手のボール保持を制限し、主導権を握るための重要な戦術です。ハイプレスからロープレスまでの種類や、マンツーマン・ゾーンプレスの使い分け、ゲーゲンプレスなどの高度なスタイルまで、その選択はチームのスタイルや戦術目標によって異なります。効果的なプレスには、選手間の連動性とタイミングが欠かせません。

また、練習方法や成功・失敗の要因を理解し、実戦に落とし込むことで戦術的な強みとなります。世界のクラブが実践するプレス戦術を参考に、自チームに最適なアプローチを構築していきましょう。