高校サッカー界屈指の強豪である流通経済大学付属柏高等学校。赤いユニフォームが躍動するその姿は、多くのサッカーファンの心を掴んで離しません。しかし、その強さの裏側には、勝利至上主義とは一線を画す独自の指導哲学が存在することをご存知でしょうか。
この記事では、チームを率いる榎本雅大監督の「人間力」を育む指導法と、2026年に向けた新チームの展望を徹底解剖します。選手権ベスト4という結果が示す実力と、プロ内定者4名を輩出した育成環境の秘密を知ることで、流経大柏のサッカーがより深く楽しめるはずです。
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| 監督就任 | 2020年(令和2年) |
| 直近成績 | 第104回選手権 ベスト4 |
| 指導方針 | 対話重視・人間性の育成 |
| 注目選手 | 古川蒼真・乙川宙(新3年) |
流経大柏サッカー部を率いる榎本雅大監督の指導哲学と変革
名将・本田裕一郎前監督からバトンを受け継ぎ、新たな黄金時代を築き上げている榎本雅大監督。就任以来、伝統の堅守速攻に磨きをかけつつ、選手一人ひとりの個性を最大限に引き出すための組織改革を断行してきました。ここでは、榎本監督が掲げる指導の核心と、選手たちにどのような変化をもたらしているのかを詳しく解説します。
勝利を目指すことはもちろんですが、それ以上に「社会で通用する人間」を育てることに重きを置くのが榎本流です。ピッチ内での厳しさとは対照的に、ピッチ外ではフラットな関係性を築くそのスタイルは、現代の高校生たちの心に深く刺さっています。具体的な指導アプローチを見ていきましょう。
「指導者と選手」ではなく「人と人」の対話を重視
榎本監督の指導における最大の特徴は、選手との距離感の近さとコミュニケーションの質にあります。従来の体育会系にありがちなトップダウンの命令系統ではなく、選手と同じ目線に立って対話することを何よりも大切にしているのです。監督自身が「尊敬語や謙譲語は不要」と公言し、選手が自分の考えを自分の言葉で伝えられる環境を整えています。これにより、選手たちは萎縮することなく主体的にプレーに関与できるようになり、ピッチ上での判断力向上にもつながっています。
また、失敗を頭ごなしに否定するのではなく、「なぜそうなったのか」を共に考えるプロセスを共有します。選手が自ら課題に気づき、解決策を見出すためのサポート役に徹することで、自立心を養っているのです。この「対話」ベースの指導こそが、プレッシャーのかかる大舞台でも動じないメンタリティを育む土壌となっています。
本田裕一郎前監督からの継承と独自の進化
流経大柏を全国屈指の強豪へと押し上げた本田裕一郎前監督の功績は計り知れません。榎本監督は、本田氏が築き上げた「ハイプレス」や「球際の強さ」といった流経大柏のDNAを確実に継承しています。練習における強度の高さや、勝利への執着心といった伝統的な要素は、現在もチームの根幹として揺るぎないものです。
一方で、榎本監督は現代サッカーのトレンドや選手の気質に合わせて、柔軟に戦術や指導法をアップデートしています。特に、ボールポゼッションの質を高めることや、個の打開力を組織に組み込むことに関しては、独自のアプローチを取り入れています。伝統を守りつつも、過去の成功体験に固執しない柔軟な姿勢が、チームを持続的な進化へと導いているのです。
失敗を許容し「気づき」を与えるコーチング
練習や試合において、選手がミスをすることは避けられませんが、榎本監督はそのミスを成長の種と捉えています。即座に正解を教えるのではなく、あえて失敗させ、その経験から何を学ぶかを問いかけるスタイルを貫いています。保護者や周囲の大人が先回りして障害を取り除いてしまう現代において、この「失敗させる教育」は非常に貴重なものです。
選手たちは「ミスをしてもチャレンジした結果なら評価される」という安心感を持っているため、リスクを恐れずに大胆なプレーを選択できます。その結果、予想外のアイデアや創造性あふれるプレーが生まれ、チーム全体の攻撃力アップに貢献しています。自ら考え、自ら修正する能力は、サッカーだけでなく人生においても大きな武器となるはずです。
人間性の向上こそが競技力向上の最短ルート
「サッカーが上手いだけでは評価されない」というのが、流経大柏サッカー部の鉄則です。榎本監督は、挨拶や礼儀、整理整頓といった日常の振る舞いが、ピッチ上のプレーに直結すると確信しています。私生活での甘えや隙は、必ず試合の重要な局面でのミスや集中力の欠如として現れるからです。
そのため、寮生活や学校生活における規律も重視されますが、それは強制されたものではなく、選手自身が必要性を理解して取り組むものです。人間としての器を広げ、周囲への感謝や配慮ができるようになることが、結果としてプレーの質を高め、チームの団結力を強固なものにします。この人間教育こそが、流経大柏の強さの真の源泉と言えるでしょう。
データと科学的知見を取り入れた合理的強化
精神論だけでなく、客観的なデータや科学的なトレーニング理論を積極的に導入している点も、榎本体制の大きな特徴です。GPSデバイスを用いた走行距離やスプリント回数の計測、映像分析ソフトを活用したスカウティングなど、最新のテクノロジーを駆使してチーム強化を図っています。これにより、選手のコンディション管理や戦術の浸透度が飛躍的に向上しました。
また、フィジカルコーチやメディカルスタッフとの連携も密にし、怪我の予防やパフォーマンスの最大化に取り組んでいます。根性論に頼るのではなく、エビデンスに基づいた合理的なトレーニングを行うことで、選手たちは納得感を持って練習に励むことができます。心技体のバランスが取れたアスリートを育成するための環境が、ここには整っています。
プロ内定4名を輩出!個を伸ばす育成メソッドの全貌
2025年度のチームからは、実に4名もの選手がJリーグクラブへの内定を勝ち取りました。これは単一の高校としては異例の多さであり、流経大柏の育成力がプロのスカウトから高く評価されている証拠です。ここでは、なぜこれほどまでに多くのタレントが育つのか、その育成メソッドの秘密に迫ります。
FW大藤颯太選手、MF島谷義進選手、MF安藤晃希選手、DF増田大空選手。彼らはそれぞれ異なる特長を持っていますが、共通しているのは「強烈な個」です。チーム戦術の中に埋没することなく、自分の武器を磨き続けた彼らの成長プロセスは、全ての高校生プレーヤーにとって参考になるはずです。
武器を徹底的に磨き上げるスペシャリスト育成
流経大柏では、オールラウンダーよりも「一芸に秀でた選手」が重宝される傾向にあります。例えば、東京ヴェルディに内定したFW大藤颯太選手であれば、その長身と身体能力を活かした空中戦やポストプレー。ジュビロ磐田内定のDF増田大空選手であれば、左足からの高精度のキックとゲームメイク能力といった具合です。
指導陣は、選手の長所をいち早く見抜き、それを徹底的に伸ばすためのトレーニングメニューを提案します。短所を消すことよりも、長所を誰にも負けないレベルまで引き上げることに時間を割くため、選手は自信を持って自分のプレーを表現できるようになります。プロの世界で生き残るために必要な「絶対的な武器」を、高校3年間で確立させることが目標なのです。
競争と共存を生む部員数とカテゴリー分け
200名近い部員が在籍する流経大柏では、激しい部内競争が日常茶飯事です。トップチームであるプレミアリーグ登録メンバーに入るためには、日々の練習で結果を出し続けなければなりません。しかし、単に競争させるだけでなく、カテゴリーごとに適切な試合環境が用意されている点も重要です。
Aチームだけでなく、Bチーム、Cチームもそれぞれ県リーグなどに参戦しており、全ての選手に実戦経験を積む機会が与えられています。下のカテゴリーから這い上がり、最終的にプロ契約を勝ち取った選手も過去には数多く存在します。今の立ち位置に安住することなく、常に上を目指せる環境が、選手たちのハングリー精神を刺激し続けているのです。
大学施設との連携による恵まれた練習環境
系列の流通経済大学との連携も、育成における大きなアドバンテージです。大学の広大なサッカー専用グラウンドやトレーニング施設を利用できるだけでなく、大学生との練習試合も頻繁に行われます。フィジカルやスピードで勝る大学生と日常的に対峙することで、高校生離れしたタフさや判断スピードが養われるのです。
また、大学の指導スタッフやトレーナーからのアドバイスを受ける機会もあり、より専門的な知見を得ることができます。高校の枠を超えたハイレベルな環境に身を置くことで、選手たちの基準は自然と高まり、プロの世界をより身近なものとしてイメージできるようになります。この環境こそが、流経大柏の育成を支えるハード面での強みです。
第104回選手権ベスト4の激闘と2026年新チームの展望
2026年1月に幕を閉じた第104回全国高校サッカー選手権大会。流経大柏は千葉県代表として堂々の戦いを見せ、準決勝まで駒を進めました。国立競技場での激闘は記憶に新しいところですが、チームはすでに次なる目標に向かって動き出しています。ここでは、選手権の振り返りと、新チームの戦力分析を行います。
準決勝での鹿島学園戦、終了間際の失点で涙をのんだ悔しさは、新チームの原動力となっています。古川蒼真選手や乙川宙選手といった主力が残る2026年の流経大柏は、どのようなサッカーを見せてくれるのでしょうか。最新情報をもとに、その可能性を探ります。
準決勝・鹿島学園戦の劇的な幕切れと教訓
聖地・国立競技場で行われた準決勝、鹿島学園との一戦は、互いに譲らない緊迫した展開となりました。流経大柏は持ち前のプレスとサイド攻撃で幾度となくチャンスを作りましたが、相手の堅い守備を崩しきることができませんでした。そして迎えた後半45分、一瞬の隙を突かれて決勝点を献上。0-1での敗戦となりました。
この敗戦から得た教訓は「勝負どころでの集中力」と「決定力」です。どんなに押し込んでいても、一つのプレーで試合が決まってしまうサッカーの怖さを、選手たちは身をもって体験しました。この悔しさを知るメンバーが多く残ることは、新チームにとって大きな財産となるはずです。国立の借りは国立で返す。その強い意志が、今年のチームを支えています。
米子北を粉砕した2回戦の衝撃的なパフォーマンス
今大会のハイライトの一つと言えるのが、2回戦の米子北戦です。守備に定評のある難敵に対し、流経大柏は前半からエンジン全開で襲いかかりました。特に輝きを放ったのが、新3年生となる古川蒼真選手です。彼の2得点を含む3-0の快勝劇は、全国のライバルたちに強烈なインパクトを与えました。
この試合で見せた、ボールを奪ってからの素早い切り替えと、ゴールへ直結する縦への推進力こそが、流経大柏の真骨頂です。相手に息つく暇も与えないアグレッシブなサッカーは、新チームでも継続されるでしょう。大舞台で自分たちのスタイルを貫き通せた自信は、今後の戦いにおいても大きな拠り所となるはずです。
新エース候補・古川蒼真と乙川宙の覚醒
2026年のチームで中心となるのは、昨年の選手権でも活躍したFW/MF古川蒼真選手とMF乙川宙選手です。古川選手は、卓越した得点感覚とドリブル突破を武器に、すでに全国クラスの知名度を誇ります。日本高校選抜候補にも名を連ねており、名実ともにチームのエースとしての活躍が期待されます。
一方の乙川選手は、中盤の底からゲームをコントロールし、攻守のリンクマンとして欠かせない存在です。広い視野と正確なパスワークは、チームにリズムと安定感をもたらします。この二人が攻撃の核となり、周囲の選手を巻き込みながら、よりダイナミックで破壊力のある攻撃陣を形成していくことが予想されます。
スタッフ体制・寮生活・進路のリアルな実態
強豪校の強さを支えているのは、選手や監督だけではありません。優秀なコーチングスタッフ、生活を支える寮の環境、そして卒業後の進路サポートなど、多角的なバックアップ体制があってこそ、選手はサッカーに専念できるのです。ここでは、外部からは見えにくいチームの内部事情について深掘りします。
特に保護者の方や、今後流経大柏への進学を考えている中学生にとっては、非常に気になるポイントでしょう。高橋延寿フィジカルコーチの加入による変化や、100名以上が生活する寮での規律、そして大学進学やプロ入りの実績など、具体的な情報をお届けします。
専門性を高めるコーチングスタッフの充実
流経大柏のスタッフ陣は、それぞれが専門分野を持つプロフェッショナル集団です。GKコーチ、トレーナーはもちろんのこと、近年ではフィジカル強化に特化したコーチも招聘しています。例えば、ブラウブリッツ秋田に内定した高橋延寿選手を育てた環境と同様に、科学的なトレーニングを指導できるスタッフが常駐している点は大きな強みです。
また、OBがコーチとして戻ってくるケースも多く、チームの伝統や文化が途切れることなく継承されています。彼らは選手たちの良き兄貴分として、技術的な指導だけでなく、精神的なケアや進路相談にも親身になって乗ってくれます。指導者層の厚さは、そのままチームの底力へと直結しているのです。
人間力を磨く寮生活と徹底した食事管理
親元を離れて生活する選手たちにとって、寮は第二の家であり、人間形成の道場でもあります。規則正しい生活リズム、整理整頓、清掃活動などを通じて、自律心と協調性を養います。スマートフォンの使用制限など独自のルールもありますが、それも全てはサッカーに集中し、自分自身と向き合う時間を作るためです。
食事に関しては、専属の栄養士が監修したメニューが提供され、ハードな練習に耐えうる身体作りをサポートしています。補食の摂取タイミングなども指導され、食育を通じたコンディション管理が徹底されています。身体の大きさや強さは一朝一夕には手に入りませんが、こうした日々の積み重ねが、全国レベルのフィジカルを作り上げているのです。
Jリーグだけじゃない!多岐にわたる進路実績
プロ選手を多数輩出している流経大柏ですが、大学進学の実績も非常に充実しています。系列の流通経済大学はもちろん、関東大学サッカーリーグ1部に所属する明治大学、法政大学、早稲田大学などの強豪校へも毎年多くの選手が進学しています。サッカーでの実力に加え、学業成績や人間性が評価されての推薦入学も少なくありません。
また、サッカー以外の道を選ぶ生徒に対しても、手厚い進路指導が行われています。サッカー部での経験を活かし、一般企業への就職や公務員試験に合格するケースも多々あります。「サッカーで培った力は、社会のどこに行っても通用する」という監督の言葉通り、卒業生たちは様々なフィールドで活躍を見せています。
プレミアリーグとライバル校との激闘シミュレーション
2026年シーズンも、高校年代最高峰のリーグ戦「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ」での戦いが待っています。青森山田、前橋育英、市立船橋といった強豪ひしめくEASTリーグで、流経大柏はいかにして勝利を掴み取るのでしょうか。最後に、今シーズンの展望とライバル関係について分析します。
特に、同じ千葉県のライバルである市立船橋との「千葉ダービー」は、絶対に負けられない戦いです。また、近年覇権を争っている青森山田との対決も、シーズンの行方を占う重要な一戦となります。厳しいリーグ戦を勝ち抜くことで、チームはさらにたくましく成長していくでしょう。
宿敵・市立船橋との千葉ダービーの行方
「イチフナ」こと市立船橋高校とは、長年にわたり千葉県の覇権を争ってきた永遠のライバルです。互いの手の内を知り尽くした両者の対戦は、常に意地とプライドがぶつかり合う激戦となります。リーグ戦だけでなく、インターハイや選手権予選の決勝で顔を合わせることも多く、このダービーを制した方が全国での躍進につながるというジンクスさえあります。
2026年の市立船橋も強力なスカッドを揃えてくることが予想されますが、流経大柏としては、伝統のプレスと進化した攻撃力で圧倒したいところです。特に、セットプレーや試合終盤の勝負強さが勝敗を分ける鍵になるでしょう。千葉県のサッカーファンのみならず、全国が注目するこの一戦から目が離せません。
王者・青森山田に対する勝機と戦略
近年の高校サッカー界で圧倒的な強さを誇る青森山田高校。プレミアリーグでも常に優勝争いの中心にいる彼らを倒さなければ、真の日本一は見えてきません。フィジカル、技術、戦術眼のすべてにおいて高水準な青森山田に対し、流経大柏はどう挑むべきでしょうか。
鍵となるのは「スピード」と「運動量」です。相手のパワーをまともに受けるのではなく、素早いパスワークと連動したプレスで相手を動かし、スタミナを削っていく展開に持ち込めれば勝機は見えてきます。また、榎本監督の采配や、交代選手の起用が試合の流れを変える重要な要素になるはずです。王座奪還に向けた最大の壁に、チーム一丸となって挑みます。
1年生ルーキー・熊木虎太郎ら新戦力の台頭
長いシーズンを戦い抜くためには、新戦力の台頭が不可欠です。注目は、昨年のプレミアリーグですでにデビューゴールを決めている新2年生FW熊木虎太郎選手です。類稀な得点感覚を持つ彼は、上級生にとっても脅威となる存在でしょう。彼のように、下級生から突き上げがあるチームは活性化し、全体のレベルアップにつながります。
また、春に入部してくる新1年生の中からも、即戦力としてAチームに絡んでくる選手が現れるかもしれません。流経大柏には、学年に関係なく実力のある選手を抜擢する風土があります。ニューヒーローの誕生が、チームに新たな勢いをもたらし、悲願のプレミアリーグ制覇、そして選手権優勝へのラストピースとなることを期待しましょう。
—TITLE—
まとめ|流経大柏サッカー部2026年の躍進を見逃すな!
—HTML—
榎本雅大監督の情熱的な指導と、革新的な育成メソッドにより、常に高校サッカー界の先頭を走り続ける流通経済大学付属柏高等学校サッカー部。2025年度の選手権ベスト4という結果は、チームが正しい方向に進んでいることの証明であり、同時に「あと一歩」を埋めるための新たな挑戦の始まりでもあります。
2026年のチームは、プロ内定者たちからバトンを受け継いだ古川蒼真選手ら新3年生と、勢いのある下級生が融合した、非常に魅力的な集団になる予感があります。プレミアリーグでの激闘、そして冬の選手権でのリベンジに向けて、彼らの成長曲線はさらに上昇していくことでしょう。ぜひスタジアムで、あるいは配信で、彼らの熱い戦いを目撃してください。赤い旋風が再び全国を席巻する日は、そう遠くないはずです。


